Kotoba Technologies、AI通訳向けにSeed 2で1,183万ドルを調達

Theaiinsider

AI搭載同時通訳の先駆者であるKotoba Technologiesは、1,183万ドルのSeed 2資金調達ラウンドを成功裏に完了し、高度なリアルタイム音声AIをより広範な商業市場に投入するための大きな飛躍を示しました。2025年6月30日に完了したこの資金調達は、主要なベンチャーキャピタルであるGlobis Capital PartnersとBoost Capitalが主導し、SIP Capital、そしてJoi ItoやThomas Wolfといったテクノロジー界の著名人を含む著名なグローバルエンジェル投資家シンジケートからの継続的な支援を受けました。今回の新たな資金注入により、Kotobaのシード資金総額は、最初の150万ドルのSeed 1ラウンドに続き、1,333万ドルに達しました。

2023年に東京(日本)とシアトル(米国)に拠点を置いて設立されたKotoba Technologiesは、最先端の音声AIを通じて言語の壁を打ち破ることを使命としています。同社は、エンドツーエンドの音声翻訳、吹き替え、音声クローニング、高速音声テキスト変換ソリューションに特化しており、特にサービスが十分に提供されていないアジア言語に戦略的に焦点を当てています。このニッチな焦点は、英語中心の開発が他の言語を置き去りにしがちな生成AIの分野における重要なギャップに対処するものです。同社の革新的なアプローチは、2024年のNVIDIA AI Summit Japanで顕著に示され、基調講演の対話にライブAI文字起こしを提供し、その技術の実用性と堅牢性を実証しました。

今回確保された資金は、Kotoba Technologiesが集中的な研究開発から本格的な商業化への移行を加速するために充当されます。これには、モデル開発と製品化を推進するために不可欠な、トップティアの機械学習およびアプリケーションエンジニアの採用への戦略的投資、そして堅牢なビジネス組織の構築が含まれます。Kotobaはすでに、音声間翻訳ツールであるDOTSU iOSアプリで大きな進歩を遂げており、わずか3ヶ月で50万回以上のセッションを記録し、音声テキスト変換で500ミリ秒未満という驚異的な遅延を実現しています。同社の最新のAIモデルは、日本語と英語の人間通訳者の品質に近づいており、日韓通訳でも同様の低遅延を達成することを目指しています。

今回の資金調達のタイミングは、AI同時通訳の急成長するグローバル市場と一致しています。この市場は2024年に約6億ドルの価値があり、2033年までに27.4億ドルに急増すると予測されており、2025年から2033年までの年平均成長率(CAGR)は約19.1%を示すとされています。この成長は、リモートコミュニケーションの需要増加、グローバル化の加速、およびニューラル機械翻訳(NMT)技術の著しい進歩によって推進されています。業界のトレンドは、プロの通訳者によるAIツールの採用が増加していることを示しており、人間による専門知識とAIの効率性を組み合わせたハイブリッド通訳モデルが、2025年にはすべての通訳サービスの40%を占めると予想されています。

1996年に設立された東京を拠点とするベンチャーキャピタルであるGlobis Capital Partnersは、実践的なアプローチと、グローバルな可能性を秘めた日本のテクノロジー企業への戦略的投資で知られており、シード段階から支援することがよくあります。もう1つの日本を拠点とする投資会社であるBoost Capitalは、人間中心のイノベーションを重視し、アーリーステージのベンチャー企業に包括的なサポートを提供しています。彼らの共同支援は、Kotoba Technologiesのビジョンと多言語コミュニケーションを革新する能力に対する信頼を裏付けています。AIが通訳の状況を変革し続ける一方で、人間通訳者は、リスクの高い状況や文化的に敏感なシナリオにおいて依然として不可欠であり、テクノロジーが人間のつながりを代替するのではなく、強化する未来を育んでいます。