ChatGPTが「学習モード」導入:学術的誤用に対処し、真の学習を促進

Theguardian

OpenAIは、大学における人工知能ツールの誤用が著しく増加している現状を受け、責任ある学術利用を促進するために、ChatGPTチャットボットに新たな「学習モード」機能を導入しました。

この新モードは、チャットボットのツールボタンからアクセスでき、構造化された学術的レッスンをシミュレートするように、複雑な主題を段階的にユーザーに案内します。例えば、数学の公式であるベイズの定理について説明を求められた場合、チャットボットはまずユーザーの現在の数学的熟練度と学習目標を評価し、その後に個別化されたガイダンスを提供します。

この取り組みは、学術コミュニティにおける高まる懸念に直接対処するものです。英国のガーディアン紙による最近の調査では、AIの誤用の規模が浮き彫りになり、2023-24学年度にAI支援による不正行為が約7,000件確認されたことが明らかになりました。この数字は学生1,000人あたり5.1件に相当し、2022-23学年度の学生1,000人あたり1.6件から大幅に増加しています。これらの課題にもかかわらず、OpenAIは、米国の大学生年齢層の若者の3分の1以上がChatGPTを使用しており、そのインタラクションの約4分の1が学習、個別指導、または学業に焦点を当てていると報告しています。

学習モードの核心的な設計原則は、チャットボットが単に完全な論文や直接的な解答を生成するのを防ぐことです。OpenAIは、この機能が単に解決策を提供するのではなく、理解を促進することを目的としていると強調しています。OpenAIの国際教育リードであるジャイナ・デヴァニ氏は、学生によるChatGPTの誤用を防ぐという同社のコミットメントを表明し、新しいモードを建設的な学術的関与を育むための一歩と位置づけました。彼女は、このイニシアチブが、学生が学習プロセスを真にサポートするためにChatGPTと責任ある方法で対話する方法を示す努力であると述べ、OpenAIがこれらのツールの誤用を容認しないことを強調しました。

デヴァニ氏は、学術的不正行為に効果的に対処するためには、評価方法を改革し、責任あるAI使用のための「非常に明確なガイドライン」を確立するためのより広範な「業界全体の対話」が必要であることを認めました。彼女はまた、学生が学習モードを利用しないことを選択した場合、この機能を迂回して直接的な解答を求めることも可能であると指摘しました。

チャットボットのオプション内で「学習と習得」として宣伝されているOpenAIは、宿題の支援、試験準備、新しいトピックの理解におけるこのモードの特定の有用性を強調しています。デヴァニ氏は、このモードがユーザーに主題や問題への関与を促し、即座に直接的な解答を提供するのではなく、解決策へとユーザーを導くことを目指していると改めて述べました。この機能は画像との対話もサポートしており、学生は過去の試験問題をアップロードし、チャットボットの助けを借りて取り組むことができます。

OpenAIは、教師、科学者、教育専門家と協力してこのツールを開発しましたが、「会話全体で一貫性のない動作や間違い」が発生する可能性についてユーザーに警告しています。