MetaがAI投資を倍増、タイタンクラスターと超知能を拡大へ
Meta Platformsは、人工知能(AI)インフラへの投資を大幅に増やしており、2025年の設備投資は660億ドルから720億ドルの間になると予測されています。これは中間値で前年比約300億ドルの増加にあたり、Metaが「超知能」の野望を積極的に追求していることを示しており、2026年も同様に多額の支出が予想されています。
第2四半期決算報告において、Metaは堅調な財務状況を明らかにしました。売上高は前年比22%増の475億ドル、純利益は36%増の183億ドルに達しました。主に広告事業に牽引されたこの好調な業績が、Metaの広範なAIイニシアチブに対する財政的裏付けとなっています。AIを活用したツールはすでに具体的な利益をもたらしており、Instagramでの広告コンバージョン率を5%、Facebookで3%増加させ、現在、総広告収入の「意味のある割合」がMetaの生成AI機能を利用したキャンペーンから得られています。
MetaのAI戦略の要石は、「タイタンクラスター」の開発です。これらは比類ない計算能力を提供するように設計された巨大なAIスーパーコンピューター群です。特に注目されている2つの主要プロジェクトは、オハイオ州のプロメテウスで、2026年までに1ギガワットの計算能力を達成すると予測されています。もう一つはルイジアナ州のハイペリオンで、最大5ギガワットまで拡張可能と想定されており、マンハッタンに匹敵する広大な敷地を占める可能性があります。これらのクラスターは、次世代AIモデルのトレーニングとリアルタイム広告最適化のサポートに不可欠です。
MetaのCEOマーク・ザッカーバーグは、「パーソナル超知能」というビジョンを明確に述べています。彼はこれを、あらゆる面で人間の知能を超えるAIと定義し、誰もがアクセスできるようにすることを目指しています。この「パーソナル超知能」は、主にAI搭載スマートグラスのようなデバイスを通じて日常生活に統合されると予想されています。この野望を実現するため、Metaは優秀な人材が密集する精鋭チームであるMeta Superintelligence Labsを設立し、OpenAI、Apple、Googleなどの競合他社からトップクラスのAI人材を積極的に採用しており、一部の報酬パッケージは2億ドルを超えると報じられています。
Metaは主に自社でAI事業に資金を供給する計画ですが、データセンターの共同開発のために金融パートナーとの協力機会も模索しています。同社は、2026年にはインフラコストが単一で最大の費用増加要因となり、次に技術系AI人材の従業員報酬が続くと予測しています。
多額の投資と運用コストの増加にもかかわらず、投資家は好意的に反応しており、決算報告後にはMetaの株価が急騰しました。これは、同社の長期的なAI戦略に対する信頼を反映しています。しかし、一部のアナリストは、このような高額な支出の長期的な実行可能性や、EUのデジタル市場法(Digital Markets Act)のような潜在的な規制上の障壁(欧州の収益に影響を与える可能性)について慎重な姿勢を崩していません。それにもかかわらず、Metaの強力なフリーキャッシュフローと、常に収益予測を上回る能力は、同社がこれらの課題を乗り越えるのに十分な位置にいることを示唆しています。